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利益は誰のために 第14回、P.F.ドラッカー:マネジメント。

マネジメント1
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第14回


第15章 新しい現実


ここでは「仕事」と「働くこと」を
分けるところから始まります。

『喜びと幸せにあふれた交響曲七番を書いた頃の
ベートーヴェンの不安と悩みを想像できる者はいない。
書いたときの状況と作品との関係は見えない。

~働くことは、生理、心理、絆、生計、権力に関わる。
人間関係論がいうように、
「手だけを雇うことはできない。人間が付いてくる」。

~仕事は人の外にある。仕事そのものは論理に従う。
働くことは人の内にある。働くことそのものの力学に従う。
ところが、組織のマネジメントたる者は、
仕事と、働くことの双方を扱わなければならない。
仕事を生産的なものとし、働く人に
成果をあげさせなければならない。
仕事と、働くことを統合しなければならない。』
(マネジメント上 P214-215)

仕事は人の外。
働くは人の内。

仕事は相手があって初めて成立しますけれど、
働くそのものの行為は、自分自身の活動、
という見方のようです。

ベートーヴェンの例が書かれていますけれど、
曲という形になった成果物と
(ここではわかりやすくするために
成果物、という言葉を使っています。
マネジメントの成果とは別です。)
その曲を生み出す行為は、その人そのものの活動、
という分け方になるでしょうか。

その作品とその作品を生み出した人格は
分けて考える、ということでしょう。

仕事で失敗したからといって
人生や人格を全否定する、というのは
おかしな考えで
人権を尊重しておりません。
(イメージや人気を商売にしている人は
分けて考えることは難しく、
どうしても影響を受けます。)

マネジメントとしては
働くことと成果をあげることを
繋げなくてはいけません。

話しは少しずれますが、
ちょっとここで思い出すのは
マンガの編集の話です。

これは日本のゲーム方面では
有名なインタビュー記事となっていますが、
その記事では、日本のロールプレイングゲームの
二大タイトルであるドラクエとFFの話です。
(ゲームはもうやっていないので、
最近はよくわからないのですが)
これらが誕生した秘話を
そこにかかわっていた
元週刊少年ジャンプ編集者(元編集長)が語ってくれた記事で
ファミコンが出た当時からゲームをやっていたものとしては
面白い記事でした。

そこで語られる考え方が
ドラッカーの考え方に通ずるところがあるんです。

ゲーム業界がつまらなくなったのは、
ゲームとは何か、を考えていないからだ、とか。

ジャンプの編集長になったとき、
競争原理を入れたとか。
廃棄システムを構築したんですね。

漫画家にきちんとお金を稼がせるのは
時間を買うためだ、とか。
そうすれば嫌な仕事しなくてすむし、
内容に集中できます。

これは直接読んでいただいたほうが面白いので、
興味ある方は探してください。ネットで。


第16章 仕事と働くことと働く人たち


『人は、仕事の論理と労働の力学の双方に沿って
マネジメントしなければならない。
働く者が成果に満足したとしても、
仕事が生産的でなければ失敗である。
逆に仕事が生産的であっても、
働く者が成果をあげられなければ失敗である。
いずれの場合も長続きしない。』
(マネジメント上 P231)

仕事とは客観的なものである、と書かれています。
そのアプローチは、分析、統合、管理だそうです。


(1)仕事を理解するうえで第一に必要とされることは、
  他のあらゆる客観的な事象を理解するための
  第一歩と同様、分析である。

  基本的な作業を明らかにし、そのそれぞれを分析し、
  論理的な順序に並べることである。

(2)第二に必要なことは、~プロセスへの統合である。

(3)第三に必要なことは、~管理手段を組み込むことである。

(マネジメント上 P231-233)

分析して、手順をつくり、管理する。
こうやって、仕事を客観的にすることで
生産的な行為と成果を結びつけることができる。

ドラッカーの言葉を借りて書けば簡潔ですので、
あっさりとしていますが、
実際にやるとなると、大変そうです。

ここでは必要なプロセスを
ガントチャートというもので明らかにしています。
プロジェクト管理、生産管理の工程表のようです。
横軸が日付で、縦軸が各作業単位で、
横棒で作業期間を塗っているようです。
確かに、仕事で見かけた図です。
工事関係ではよく見かけます。
これはひとりで行う仕事にもいえるそうです。

自分を管理する手法に使えるかもしれません。


働くことの五つの側面


これは働く者自身のことです。
これには五つの側面があるそうです。


機械の設計と人の設計


人には生理的面があって、機械のようには働けない、
ということが書かれています。

当たり前、と思うでしょうけれど、
ドラッカーは分析しているんです。

人は機械のような力もなければ、持続力もない。
疲れやすい。
けれど、調整力に優れている。
知覚を行動に結びつけられるし、感覚や見解を動員すると
よく仕事ができる、と書かれています。

『人が生産的であるためには、
仕事のスピード、リズム、持続時間を
自らコントロールできなければならない。

~したがって、仕事は均一に設計しなければならないが、
労働には多様性をもたせなければならない。
スピード、リズム、持続時間を変える余地を
残しておかなければならない。』
(マネジメント上 P235)

仕事は均一で、
労働は多様性。

成果をあげるためには
仕事は一定のペースで進まなければならないですが、
その時に応じて、体制は変えていかなければならない、
ということでしょうか。


苦しみか喜びか


心理的側面のことです。
失業で人を傷つけるのは、金銭ではなく、尊厳、
と書かれています。

仕事というのは、自己実現の源、とのことです。

このあたりは、価値観でわかれるところでしょう。
本書は経営のことですので、
仕事が自己実現、ということになるのでしょうか。

最近、海外でベーシックインカムの実施するしない、
あるいは実験する、などという話があるようですが、
ドラッカーは、問題視しているようです。

仕事が自己実現、と書いていますので、
仕事が無くなることは、自己実現の手段が失われるから、
ということのようです。

このあたりは、どちらが正しいのかわかりません。

本当に実現可能なのでしょうか。
ある程度、機械、AI、ロボットなどが
日常生活に当たり前のように入ってこないと
難しいのではないでしょうか。
それとも、出来てしまうのでしょうか。

ドラッカーの場合、仕組みが実現可能かどうかではなく、
尊厳が保たれるのか、というところに注目しています。


絆としての仕事


ここでは社会的側面です。
コミュニティとの絆のために仕事を必要とする、
家族との結びつきに劣らない意味をもつ、
と書かれています。

確かに、ある程度、しっかりとした組織ならば
そうでしょう。
仕事の絆の例として、以下のように書いています。

『ある大企業の元副社長は、
「年次報告書よりゴシップを送ってほしい。
嫌いだった奴まで懐かしい」といっている。

この最後のひと言が仕事の絆の強さを表す。』
(マネジメント上 P238)

仕事、というものを通して
いろいろなつながりがある、ということのようです。


生計のための仕事と賃金のための仕事


『生計の資としての賃金は、
安定的、継続的であって、かつ一家の生計費、
欲求、社会的地位に見合っていなければならない。

これに対しコストとしての賃金は、
産業および企業の生産性に見合っていなければならない。
柔軟であって市場に適応できなければならない。
生産する財サービスに競争力を
与えるものでなければならない。
働く者の必要や期待とは関係なく、
顧客によって決められなければならない。』
(マネジメント上 P238)

この難しい対立を解消できた社会はいない、
と書かれています。

会社にとって、人は財産であると同時に
コストでもあります。


権力に関わる側面


『畑を耕す農夫は自らを律しなければならなかった。
草を干すときであれば、彼自身が何をしたかろうが、
草を干さなければならなかった。
それはなされるべきことだった。
従うべきものは季節であったり、天候であったり、
市況であったりした。
ところが今日の組織では、
たとえいかに小さなものであろうとも、
権力というものがある。
組織の成員の意思は、その権力の意思に従わされる。』
(マネジメント上 P244)

組織で働く以上、従わなくてはいけないところがあって、
その対価を労働者はもらっています。

農夫の例では、従うは農作物であり、
農作物を卸す先や顧客です。


分配に関わる側面


第6の側面として、果実の分配をあげています。
組織の中の人間は、
収入を直接結びつけることはできず、給料です。
売上に対する貢献を測定することはできないので、
権力によって分配されるようです。


支配的な側面はない


『確かに経済的な欲求の満足、
すなわち次の食事の心配をしなくともよくなるほど、
経済的な報酬に喜びはなくなっていく。

~積極的なインセンティブとしての力は失ってく一方において、
その不足が不満をもたらす力は急速に大きくなっていく』
(マネジメント上 P248-249)

どうやら、報酬が高くなっても、他人と比較して
自分が低いと不満は大きくなるようです。

これは報酬が評価につながっていて、
数字ではっきりと出てしまうから
比較してしまうのでしょう。

相手の見えないところはわからないですが、
報酬という金額だけは見えるわけで、
隣の芝生は青く見える、というところでしょうか。


ドラッカーは、働く側面を分析しています。
働くとはどういう仕組み、影響を受けているのか、
というのをしっかりとわけて考えています。
普通ならここまで見ないでしょう。


私の場合ですが、この本、一回だけ読んだだけでは
活用できそうにないですね。
何回も何回も繰り返して読まなければ、
わからないでしょう。
読めば読むほど、ドラッカーのすごさが伝わってきます。

つづく。


【出典・参考】
マネジメント[上]
マネジメント[中]
マネジメント[下]
著:P.F.ドラッカー
訳:上田惇夫(うえだあつお)
ダイヤモンド社


利益は誰のために 第15回
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