スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

利益は誰のために 第10回、P.F.ドラッカー:マネジメント。

マネジメント1


利益は誰のために 第0回
【第1回】【第2回】【第3回】【第4回】
【第5回】【第6回】【第7回】【第8回】
【第9回】


第10回


 
目標の設定とその実行



『目標の設定において中心となるのは、
マーケティングとイノベーションである。
事業が成果を得るのは、
この二つの領域においてだからである。
顧客が代価を支払うのは、
この二つの領域における
成果と貢献に対してである。

あらゆる目標が、
成果についての目標でなければならない。』
(マネジメント上 P134)


よく目標は具体的に、と言われます。


「われわれの事業は何か。
何であるべきか。」
と問うことで使命と方向性を定めましたが
目標という段階になると、
それらを実現するための
具体的な目標となります。



マーケティングの目標



本書では、目標はひとつではない、と
書かれています。
けれど、たくさんある目標を設定するには
基本的な二つの決定をしなければ
ならない、と言います。


『しかしこれらの目標が、
実は、二つの基本的な決定を
行ったのちでなければ設定できないことを
強調したものはほとんどない。
すなわち、集中の目標と市場地位の目標である。』
(マネジメント上 P135)



集中の目標



『八つの領域における目標を
戦略として位置づけるならば、
集中の決定とは戦場の決定である。』
(マネジメント上 P135)


ここで八つの領域と出てきますけれど、
これは前回に書いた


(1)マーケティング
(2)イノベーション
(3)人的資源
(4)資金
(5)物的資源
(6)生産性
(7)社会的責任
(8)必要条件としての利益


のことです。


それで、(1)マーケティングの目標を決める前に
二つのことをしなければならず、
それが、


集中の目標



市場の地位の目標


と本書に書かれています。


八つの領域が戦略で
集中の決定が戦場の決定、
と書いていますけれど、
もう少し、私なりにかみ砕いてみます。


戦いの話になりますけれど、
戦うときの考え方として
戦略と戦術というのがあります。
戦略というのは、
戦場で直接武力で戦う以前に行うことで
(このあたりは孫子あたりが
詳しく書かれていると思いますけれど)
戦う前に有利な体制、条件に持っていく
あるいは、
戦う前に勝ちを確定させてしまうことで
外交であったり、諜報であったり、
武力以外で行うことです。


戦術というのは、戦場において
どのように動くのか、という
現場レベルでの考え方です。
現状に合わせて動きます。
ここでも有利なポジションをとったり、
相手の隙をついたり、
あるいは、兵士たちを鼓舞させるための
方法であったり、
武力で直接ぶつかり合うときに
より有利な条件を作り出すことにあります。


孫子の兵法がよくわからない、という人は
アニメや小説にある銀河英雄伝説でも見れば
わかりやすいです。(通称:銀英)
SFの話ですけれど、
あれは政治(民主主義、専制政治)や
戦争(戦略、戦術)のことが
わかりやすく描かれています。
学生のころから何回も見た作品です。


話は戻しますけれど、
ドラッカーはまず、戦場を決定することになります。
実際の戦争は、土地があって
その奪い合いです。
限られたものを奪い合っていますけれど、
経済はそうではありません。
限られていないわけではありませんけれど、
流動的で変化します。
そして、それは平面的ではなく、
立体的で、様々な領域や階層があって、
それは人の価値観や心理に基づくものです。


土地の場合、すでに戦場は決まっていますけれど、
経済の場合、決まっていません。


まず、どの場所で行うのか、
決めなければ戦略も戦術もありません。


『小企業は大企業よりも
集中の決定を必要とする。
小企業の資源は限られている。
集中することなくして成果をあげることはない。』
(マネジメント上 P137)


『集中の決定にはリスクを伴う。
それこそ本当の意思決定である。
しかも市場の力学、
トレンド、
変化に合わせて、
繰り返し検証していくべき決定である。
集中なくしては、
マーケティングの目標も
イノベーションの目標も、
約束あるいはよき意図にすぎない。
資源を成果に向けて投ずることはできない。』
(マネジメント上 P137)


場所を決めないと、
どこに資源を集中させるのか、
照準が定まりません。


場所を決めないと、
検証もできません。



市場地位の目標



『マーケティングに関わるもう一つの重要な決定が、
市場地位の決定である。
通常は、リーダー的な地位である。
あるいは売上げ増である。
いずれも、もっともらしく聞こえるが間違っている。

あらゆる企業が、同一市場において、
同時にリーダー的な地位を占めることはない。
いかなるセグメントにおいて、
いかなる製品、サービス、価値において
リーダーたらんとするかを決定しなければならない。』
(マネジメント上 P137)


セグメントということは
市場のさらに細かい部分で、ということでしょうか。
どうやらマーケティングやMBAの用語の
解説されているサイトを見てみますと、
もうちょっと絞った消費者層のこと、
共通する部分がより濃い消費者層の部分で、
ということのようです。


そして、重要なのは売上の伸びよりも、
市場のシェアだそうです。



『独占的な地位ともなると、
世論の反発よりも自己満足によって挫折する。
市場を支配すると、
イノベーションの抵抗が内部に生まれ、
変化の対応が難しくなる。
景気変動への抵抗力も落ちる。』
(マネジメント上 P138)


市場を支配し、
そこに安定した王国が生まれると、
腐敗が始まるということでしょう。
そこに変化をもたらすとうことは、
安定を捨てるという誤った認識が広がり、
固定化してしまい、
変化に対応できなくなる。


これは経済にかぎらず、
共通の考え方のようです。


新市場、特に大きな新市場においては
供給者は一社よりも複数であるほうが、
はるかに速く拡大する傾向がある、
と本書には書かれています。


前前回の感想で書いた、
社会学の広がりの原理です。


『デュポンは、早くからこのことを理解していた。
イノベーションを成功させたとき、
独占的供給者の地位を維持するのは、
開発コストを回収するところまでである。
その後は、特許の使用権を与えて
競争相手をつくる。
その結果、多くの企業が市場や用途の開発を始める。』
(マネジメント上 P139)


一社だけでは広がりや想像性に限界があるようで、
そこに複数、多様性を持ち込むことによって
新たな変化や広がりを見せ、
市場は拡大するようです。
(デュポンはアメリカの化学会社です)



イノベーションの目標



イノベーションは三種類あるようです。


・製品とサービス
・市場
・流通


『イノベーションは市場と顧客のニーズから生まれる。
必要はイノベーションの母となる。』
(マネジメント上 P140)


顧客のニーズがないと
イノベーションは生まれない、
必要性がなければ生まれない、
というのは、実にはっきりとした指摘です。
これは様々な考え方に応用できそうです。


必要性を感じるかどうか。


食べること、住むところ、など
満たされていて
それ以上の変化を望まなければ
新しいものは生まれないでしょうけれど、
それはそれで幸せかもしれません。


社会や会社に対し、
自分は必要とされていない、
と感じてしまう人は、
ネガティブになって
個人としての変化は生まれないでしょう。


別に必要性を感じなくても
自由に生きられる、
楽しむことができる人は
それはそれで幸せなことです。


使命感のある人は
必要性を感じている人ですから、
どんどんと前に進むでしょう。


新しい変化というのは
何となく勝手に変化するわけではなく、
必要があると
個人的に感じているから変化する、
ということでしょう。


これは使命的なことでなくても
楽しんで何かをしている人でも
より良くするためには、とか
より楽しむためには、とか
考え始めたなら、
変化の必要性を感じているわけです。


必要性を感じない人は
変化しない、ということなのでしょう。


生命、生物という原始的なところで考えても
生き残るために必要だったから
様々な変化をしてきたのですから。


イノベーションの目標は、
明確にしにくい、と言いつつも
具体的な数値目標として
提示することは必要と、
本書では書かれています。



経営資源の目標



ここでは、人、金、物のことについて
書かれています。


人、物、金の順ではないようです。
これは時代によって変化するでしょう。
ちょっと冗談ぽく書けば
AIの進化によって
物、金、人、とか。


読んでいると
マーケティングの観点から
人材と資金、ということのようです。


ここでは目標の設定の話ですから、
こういう順番なのでしょう。



目標間のトレードオフ



ここでは三種類のバランスが必要と
書かれています。


・目標と利益
・現実と将来
・異なる目標のバランス


本書で利益とは
継続するうえで必要な条件としています。
目標はひとつではなく、
複数としています。


『目標間のバランスほど、
優秀な企業とそうでない企業を
分けるものはない。
公式はない。
それぞれの事業が、
それぞれのバランスを必要とする。
同じ企業でも経済の状態によって
異なってくる。』
(マネジメント上 P150)


重要な使命があって
目指すべき目標があり、
それを達成するために
継続性を必要とする場合、
バランスは重要です。


単発的で継続性が必要なければ
勢いだけでいいですし、
むしろ、そちらのほうが
魅力的かもしれません。



優先順位の決定



『優先順位を付けることには
リスクを伴う。
高い優先順位を付けられなかったものは、
事実上廃棄されることになる。』
(マネジメント上 P150-151)


何もかもできる組織はない、
と書かれています。
資源は有限です。
ですから、優先順位を付ける必要があります。


そのための装置が予算である、
と書かれています。



目標を実行に移す



『検討の結果もたらされるべきものは、
具体的な目標、期限、担当を含む
実行計画である。
目標を実行に移さなければ目標ではない。
夢にすぎない。』
(マネジメント上 P151)


目標は行動するための手段です。
と書いてみたものの、
身にしみる言葉です。


つづく。



【出典・参考】
マネジメント[上]
マネジメント[中]
マネジメント[下]
著:P.F.ドラッカー
訳:上田惇夫(うえだあつお)
ダイヤモンド社



利益は誰のために 第11回

検索フォーム
カテゴリリスト

各アイコンの説明。

カテゴリオープン
カテゴリクローズ
個別カテゴリ
全カテゴリオープン
全カテゴリクローズ

  • plus
  • minus
プロフィール

ウシポニ

Author:ウシポニ

岩手県盛岡市在住。もりおかの中から感じたことを書いております。個人的なブログです。【このブログについて】

お知らせ、メモなど
  • 感想文の更新は終了いたしました。ブログの更新も2016年6月をもって終了いたしました。今後の更新はございません。今までありがとうございました。
最新記事
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。