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利益は誰のために 第5回、P.F.ドラッカー:マネジメント。

マネジメント1


利益は誰のために 第0回
【第1回】【第2回】【第3回】【第4回】


第5回


第6章 企業とは何か


『「マネジメントとは
企業を市場へ適応させることである」
との常套句ほど愚かなものはない。
マネジメントとは、
市場を見つけるだけでなく、
自ら市場を創造すべき存在である。』
(マネジメント上 P70)


前回、シアーズ物語では
市場を創造していました。


この章では企業のことについて
書かれています。
シアーズ物語では
経済によって企業がつくられるのではなく、
人間によって企業はつくられ、
マネジメントをする、と言っています。
大不況、大戦下にあっても
成長させていました。



企業と利益について
こう書かれています。


『シアーズ物語は、もう一つ、
企業を利益によって定義し
説明することはできないことを教える。
企業とは何かを聞けば、
ほとんどの企業人が営利組織と答える。
経済学者もそう答える。
だがこの答えは、
間違っているだけでなく
的はずれである。』
(マネジメント上 P70)


利潤極大化のコンセプトは意味がない、
と書かれています。
利益は必要だけれども、
これは目的ではなく条件で、
妥当性の判断基準であるとしています。


営利というと
利益を上げるのが目的、と
捉えがちになりますが、
ドラッカーの考えでは
利益も継続の手段、ということになりそうです。


『企業の判断基準は利潤の極大化ではない。
それは、経済活動に伴うリスクを補填し
損失を回避するために必要な利益の実現である』
(マネジメント上 P71)


企業は高い利益をあげて初めて、
社会貢献を果たすことができ、
利益と社会貢献は対立しない、と書いています。


リスクの補填し損失を回避する、
というのはわかります。
企業が倒産していたのでは、
継続した貢献はできません。



ここで少しおさらいです。


まず、企業というのは、
個人や社会に貢献する、というのが
ドラッカーの考えです。
そのために組織があり、
それは貢献・ニーズを満たす手段
としています。


その結果として利益があります。
その利益は会社継続には必要なものです。


利益がある状態というのは、
企業が経済的成果をあげているからで、
経済的成果というのは、
会社が顧客に対して財やサービスを提供し、
それに対して顧客は、
すすんで対価を支払っている、
ということです。


会社側も顧客側も大きな不満はなく、
その結果、利益が出ている。
今はあまり出てこなくなりましたが、
いわゆる、Win-Winの関係ということでしょう。



本書では、利益に対する誤解があるとしています。
利益に対して、敵意が生じている、
危険な病原菌とまでいっています。


それはたぶん、こういうことでしょう。
敵意を持つ側は、
利益とは本来が持つ価値の余剰部分であって、
本来の価値よりも多く値段をつけている、
利益が多くなるというは、
それだけ、本来提供する価値以上の対価を
得ているからだ、となるでしょうか。
不釣り合いだと。
価値に対して適正に取引していないのでは、
という考え方が働いているでしょう。


それに利益には報酬の一面もあるでしょうし、
その部分も価格に含まれ、
顧客が負担しているわけですから、
その部分があまりにも大きいと、
不満が出るかもしれません。


ここまで読んだうえで
ドラッカーの利益に対する考え方は
将来の損失のための補填、
将来の費用であり、
会社が将来継続していくためのもの、
ということです。


物々交換での一対一の価値と
その余剰分の累計が利益として見ているのと、
会社が将来貢献継続していくための費用
と見ている違い、ということになります。


余剰分と費用。
視点がまったく違いますので
意見は対立するわけです。



ドラッカーの考え方には
企業が永続的に貢献するには
どうしたらいいのか、
という前提があります。


ですから、
ここで利益と言っているのは
継続性に必要なもの、
未来の不確定要素に対するもの、
ということになるでしょうか。
それは価値観や技術が変わったり、
戦争や災害が起きたり、
ニーズが変わったりと
変化に対する費用あるいは投資を
この利益で行うわけです。


今は政治や金融に対するリスクが
大きいかもしれません。


企業は貢献が前提ですから
株主の配当は後回しでしょうし、
莫大な役員報酬などというものは
ないはずです。
継続的に貢献するのに
必要なものを優先的に
考えるでしょう。
そして、社内留保が
大きくなるかもしれません。


貢献し続ける、ということは
継続しなければなりません。
そうしますと、
成長しようとしなければなりません。
結果として目指す先は
大企業のような規模が大きい方向へと
向いていくでしょうか。



世界の経営者や企業が
すべてドラッカーの考え方で
経営をしているわけではありませんし、
価値観もそれぞれで
必ずしも永続的に貢献、
などとは考えていないわけです。


中規模であったり、
自分の手の届くあたりまででいい、
と考える人もいますし、
永続的でなく、
ある期間だけ、と考えている人も
いるでしょう。


貢献などというのは
あまり考えずに、
楽に稼げるのは何か、
としか考えない人もいるでしょう。


中には非合法・反社会的な手段を
使う人もいるでしょう。


そんないろいろなものが
混ざりあって
危ういバランスを取りながら
毎日が進んでいて
様々な価値観・多種多様性があるのが
現在のかたちでしょう。


それでも、
倒産させたい、などと考える人は
あまりいないでしょう。
やはり、継続できるように
日々、活動しています。



敵意側の価格に対する考えは
原価積み上げ方式です。
商品原価に付随費用を足して、
そこに利益を乗せて価格を設定する。


ドラッカーの考え方だと
市場に合わせた価格の設定と
なるのかもしれません。
価格は顧客が決める、ということです。



視点や考え方の違いによって
利益に対する違いが出ているわけですが、
ドラッカーの考え方は横に置いておいて、
全体を見てみますと
実際のところ、
その利益を出すために
犠牲になったり、しわ寄せが
いっていたりするわけです。
(ドラッカーは
その企業は間違っている、と
言うかもしれませんけれども。
社会に与えるインパクトを処理し、
責任を持ち、
社会的問題を解決するのも
マネジメントでは
役割のひとつとしています。)


企業が継続し、成長すれば
新たな投資が生まれ、
そこに雇用が生まれる、
利益が社会的サービスを賄っている、
(つまり、税金によって)
とドラッカーは書いていますが、
例えば、その国の社会的サービス向上は
別国の犠牲の上に成り立っている
という場合もあるわけです。


自由競争ですと、
ある企業が成長することは
他企業は衰退している、ということも
あるわけです。
(ネクスト・ソサエティ(2002)では
自由市場経済は
うまく機能はしていないけれど、
ほかよりはまし、と言っています。)


全体的に成長していて
税収も増えていれば
セーフティーネットもしっかりしていますし、
失業者は再起もしやすいかとは思いますが、
どうも、しっくりと
こない部分があります。


本書は企業のことであって、
社会のことではないですし、
今回はそこまで考える必要性は
ないのかもしれませんが。
(ネクスト・ソサエティ(2002)では
「社会か、経済か」という項目で
書かれている部分があります。)


それにこれは
経営側に向けての本でもありますし、
(マネジメントをする側)
こういった本を読む人は
挑戦しようとしていたり、
成長しようとしていたり、
目的意識があったりと、
前向きの人たちであって、
弱者や雇用者側の話ではありません。


ドラッカーは全体主義を否定して
貢献を言っていますから
その考えを前提に考えれば
こういうことなのかもしれません。


しかし、「貢献」ってなんでしょうか。
ニーズを満たすだけが貢献と言えるのでしょうか。
満たさないよりはいいのかもしれませんけれども。
これは頭の片隅に置いておきたいと思います。


ちなみに会計の話になりますが、
現在では利益よりも
キャッシュフローのほうが
大事だと言っています。


日本の企業でも
キャッシュフローは
定着しているのではないでしょうか。


将来出ていく支出、
将来入ってくる収入は考えに入れないで
実際の現金の流れで把握する方法です。
今、使える現金はいくらあるのか、
ということらしいです。
利益があっても、
使えるお金が全然ない、
なんてこともあるわけで、
より実態を把握するために
導入され、定着しているようです。


つづく。



【出典・参考】
マネジメント[上]
マネジメント[中]
マネジメント[下]
著:P.F.ドラッカー
訳:上田惇夫(うえだあつお)
ダイヤモンド社



利益は誰のために 第6回

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