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利益は誰のために 第4回、P.F.ドラッカー:マネジメント。

マネジメント1


利益は誰のために 第0回
【第1回】【第2回】【第3回】


第4回


企業の成果


第5章 事業のマネジメント シアーズ物語


ここでは、
アメリカの小売業、
シアーズ・ローバックのことが
書かれています。


当時は世界最大の小売業でした。
現在(2015)は
全米小売業ランキングでは18位のようです。
1位はウォルマートで飛び抜けています。
国内売上高では2位の約3倍、国外では約5倍です。


けれど、日本では苦戦しているようです。
海外勢で好調なのはコストコぐらいでしょうか。
そのあたりの分野のことはよくわかりませんが、
ネットで少し調べてみますと、
日本の食文化の違い、商慣習など書かれています。
ざっくりまとめると、
文化・価値観が欧米とまったく違っているため、
となりますが、
その国の文化に合わせず、
押し付けていたのでは難しい、ということでしょうか。


徹底して合理化をした海外の小売業。
それが逆に日本の文化に
対応できなくなってしまったのでしょうか。



ドラッカーの本の中に書いていますが、
海外から日本にきて成功した会社の中には
まず、日本の歴史から勉強したそうです。
知ることから始めたわけです。



シアーズの歴史について簡単に書いていきます。


シアーズが20世紀の初め、
農民をターゲットとします。
その当時のアメリカの農民は
孤立していて、
既存の流通チャンネルは使えませんでした。


まだ、自動車は普及しておらず、
町まで買いに行くことが困難のようです。


一人の購買力は小さいけれど、
全体としての潜在的購買力は大きく、
手つかずの状態です。


そこで新しい流通チャンネルとして
通信販売業をします。
通信販売業を成立させるには
農民が価値ありとするものを
分析する必要がありました。
さらに、イノベーションも必要でした。



(1)第一に、農民のニーズに応える商品を、
彼らが払える価格で供給できるメーカーを見つけ、
育てなければならなかった。

(2)第二に、都会に行かなくとも商品がわかる
通信販売カタログが必要だった。
それは、お買い得品の入荷を知らせる
不定期のチラシではなく、
定期刊行物でなければならなかった。
それまでの通信販売とは一線を画す
商品説明が必要だった。
カタログとシアーズの双方を
信頼してもらうことによって、
常連客になってもらう必要があった。
カタログは、農民にとっての便利帖で
なければならなかった。

(3)第三に、かの有名なシアーズのうたい文句、
「委細かまわず返金」が必要だった。

(4)第四に、コストをかけずに
膨大な注文を処理する方法が必要だった。
そのためには、商品配送センターが必要だった。

(5)そして第五に、
これらの仕事のための組織が必要だった。
必要とされるスキルもなかった。
事業に不可欠なバイヤーもいなかった。
在庫管理を知っている人間もいなかった。
カタログのイラストを描ける者もいなかった。
大量の注文を処理する方法を知る者もいなかった。

(マネジメント上 P60-61)


本書が出た当時(1973)、シアーズが扱っている商品の6割は
シアーズが所有する企業から仕入れているそうです。


この通信販売業を実現するために
メーカーから育て、
カタログを作り、
直接商品を確認できないリスクを売り手側が負担し、
配送センターをつくり、
その組織をつくる。


すごいですね。
その当時は何もなかったので
新しいことをするには
全て作るしかなかったのでしょう。


農家に商品を提供するのには
このような仕組みが必要だったわけですが、
それだけのリターンが見込めた、
ということなのでしょう。
それだけ、未開の地だった。
誰も貢献していなかった、ということでしょうか。


画像検索で当時のカタログを見てみますと、
服とか靴とかはファッション誌ですね。
商品やモデルはすべて絵なんですけれど、
今からすると、それが新鮮です。


これによってシアーズは
大企業となります。
農家では聖書につぐ書物が
シアーズのカタログとなったそうです。



次は1920年代。
このときには農民は孤立しておらず、
自動車も普及し、町まで買い物に行けました。
生活水準があがり、
中流階級となります。


都市部でも低所得層が
中流階級へ移行しようとしていました。


そこでシアーズは
自動車を持つ農民と
都市の消費者にタ―ゲットが移ります。
小売業への進出です。
町で店舗運営です。


ここでイノベーションです。
仕入れ先の育成、商品の設計です。
所得が高くない人向けの冷蔵庫を設計します。
冷蔵庫を提供することで
保管場所をつくります。
何回も買いに行かずに済みます。
より多く買ってもらえる、
ということでしょうか。


通信販売業でしたので、
店長が育っておらず、
店長不足となったようです。


組織構造も変化し、
中央集権化から分権化。


本社が遠く離れた
店舗のマネジメントはできないので、
各店舗それぞれが
自らマネジメントしなければなりません。


店舗の立地、建物、レイアウトも
イノベーションです。
郊外型ショッピングセンターを作ります。


その結果、
大恐慌期から増収増益です。


シアーズは顧客に合わせて
形を変えていきます。
アメリカ初のマーケティング中心のメーカーに
なったとさえいってよい、と書かれています。


当時、アメリカの企業でしたが、
1940年代、海外進出をします。
カナダ、ラテンアメリカ諸国、
1960年代ではスペインです。


『やがて間もなく、シアーズは
リスクを伴う難問に直面することになる。
アメリカ企業のままでいるならば、
アメリカの中流家庭の家計構造が
財からサービスへと移行する中にあって、
規模と利益の伸び悩みに直面することになる。

これに対しグローバル企業の道を選ぶならば、
シアーズ流の大量マーケティングが
最大の貢献をなしうる国と市場を
選択しなければならない。

~これまでの経営戦略を、
これまでのものとは異なる市場、
異なる文化に、
異なる方法で適用するという
新しい課題に直面することになる。』
(マネジメント上 P68)


シアーズは
人口統計と人口予測を見て
最大の市場を見つけ
その市場を大衆市場に変える、
というマーケティングを行っていました。
自ら市場を創造していたんです。
顧客の創造です。



『シアーズ物語から得られる教訓は、
正解は頭のよさやひらめきによって
得られるものではないということである。

~正解が得られるのは、
正しい問いによってである。

その正しい問いを得るのは、
企業とは何か、
われわれの事業は何かを
知るための営々たる努力によってのみである。』
(マネジメント上 P69)


正しい問いをするには
自分を知らなければなりません。
目的、使命はなんなのか。


この当時のシアーズは
アメリカの中流階級の
ニーズと、欲求と、満足を扱う事業
と定義していたようです。


顧客に合わせているように見えて、
実はターゲットの市場に提案し
想像させ、ニーズを生み出し、満たしている、
ということでしょうか。



少し気になるのは、
本当に人のために
貢献しようとする企業ならよいのですが、
自己利益のために依存させ、
抜け出すことが困難の方向に持っていく、
とするところもでてくるわけです。


選んでいるようで
選ばされている、ということに
なっているのかもしれません。
無意識のうちに。


自分にとって
何が必要で、何が大切なのか、
自分を知っておくとよいでしょう。



想像というのは未来を作ります。


無機質の物質たちは
環境に身をまかせるしかありません。
植物、動物たちは
環境に対応するために変化し、
生存、種の存続をします。
人は想像することによって
未来を変え、作ることができます。


未来の道はひとつだけではありませんが、
人は未来を変える大きな力をもっています。
もちろん、地球という環境において
人だけの力で生物が存続していく環境を
継続させていくのは難しく、
人以外のもの(自然など)と
共存共栄していくことになります。


人にとって「想像」というのは
大きな存在のひとつです。


今の時代、想像力が衰えているかもしれません。
与えられるのに
慣れてしまっているのかもしれません。


つづく。



話は変わりますが、
日本の古着市場では
1970~80年代の
アメリカの古着が取り扱われています。
シアーズの古着もあります。
私はJCペニーの古着を持っています。
(JCペニー:ジェームズ・キャッシュ・ペニー
アメリカの代表する総合スーパーのひとつ。)
今には無いデザインで
レトロ感がよい感じです。
この時代(1970)のアメリカは
ファッションを自由に楽しんでいたようです。



【出典・参考】
マネジメント[上]
マネジメント[中]
マネジメント[下]
著:P.F.ドラッカー
訳:上田惇夫(うえだあつお)
ダイヤモンド社



利益は誰のために 第5回

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