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愛や虐待も受け継がれる 第32回、購入:ネットオフ、斎藤学(さとる):アダルト・チルドレンと家族。

アダルト・チルドレンと家族
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第32回



荒れるアダルト・チルドレン



『この章では、
アルコール依存症などとは無縁な、
「ごく普通に見える日本の親たち」のもとで
育った子どもたちのなかの、
いわゆる「家庭内暴力」の問題に
触れたいと思います。

~家庭内暴力には老人虐待、
妻や性的パートナーである女性への虐待、
児童虐待などがあって、
「思春期青年による親虐待」は、
その一部に過ぎません。』
(アダルト・チルドレンと家族 P124)


本書では
日本の精神科臨床では、
思春期問題だけが過度に
注目を集めてきた、と書かれています。


親を大切にしなさい、とか
親孝行しなさい、といった
考え方がありますから
それに反抗した姿は
いろいろな意味で注目を集めやすいです。


親虐待をするような
子どもに育ててしまって、
それが返ってきている、
という解釈もできますが、
親に目を向けることはありません。
この場合、被害者ですから。


虐待する者は被害者でもある、
というように
攻撃するようになってしまったのにも
原因があります。
親からの影響があるわけです。


本書では
ある人物を例にに挙げて
説明しています。



ACとしてのヒットラー



『ミラーの著書「魂の殺人」の中で、
第三帝国の独裁者ヒットラーが
被虐待児としての側面を
もっていることを指摘しました。
それを読むと、
この独裁者の行為が
ある種アダルト・チルドレンの特徴を
実にわかりやすく示しているのに
気づきます。』
(アダルト・チルドレンと家族 P125)


アドルフ少年は
父親から暴力を受けていたようです。
けれど、それは
教育的折檻とみなされていたようです。


しつけ、と言って
虐待をしているのです。


ここでは
アドルフ・ヒットラーの父親
アロイスが生まれたところから
始まります。


アロイスは
マリア・アンナ・シックルグルーバーという
女性の子どもです。


マリア・アンナは
粉挽き職人のヨーハン・ゲオルク・ヒートラーと
結婚しますが、
貧しかったため、
夫の弟ヨーハン・ネポムク・ヒュットラーにゆだね、
アロイスはそこで育ちます。


アロイスの父親はわからないようですが、
マリア・アンナが奉公していた
ユダヤ人商人の息子という噂です。


アロイスは役所で働くようになり、
官職につくのですが、
父親がはっきりしないことが
苦しめたようです。


そこでアロイスは
ヨーハン・ゲオルグ・ヒートラーの嫡出子と
戸籍を訂正し、
ヒットラー籍を名乗ることになります。


従妹で住み込み女中のクララが
病んだ妻とその子どもの世話をしていますが、
アロイスはクララとの間に子どもをつくります。
その中にひとりがアドルフです。


アロイスはアルコホリック(アル中)でした。
怒りっぽく、独裁者でした。
意のままにならない子どもたちに
暴力をします。


アドルフは
痛みを外に表わさないのは
勇気の証拠、という
冒険小説の文章に感化され
虐待されても声を出しません。


母親は無力で
アドルフを守ることも癒すこともできません。


ということは
アドルフは耐えていたわけです。
ストレスに対する調節する能力は
育ちません。


アドルフ少年のトラウマは
総統ヒットラーとなっても
影響を与えていたようです。


父親アロイスの独裁者の姿は
アドルフに取り込まれ、
ドイツ国民への演技の骨格を
つくったそうです。


憎悪の対象である父親アロイスに
似てしまいました。
憎悪する能力は
ドイツ国民にも影響を与えます。


本書を読んでいると
どうやらこの当時のドイツは
父親に大きな力があるように感じます。
その理不尽な抑圧を受けた女性たちは
ヒットラーを賛美し、
親の圧力にさらされていた子どもたちは
ヒットラーの雄弁に魅了され、
影響されていきます。
そういった称賛・共鳴が
ヒットラーや第三帝国に対して
大きな力を与えた一面があるようです。


アドルフの父親アロイスが
ユダヤ人の子どもという噂があって、
その血を引いた父親によって
虐待を受けたアドルフは
ユダヤ人迫害の理由の一つかも、
と書いています。


父親の生家も祖母もの墓場も
全て戦車によって破壊しています。



ネットで少し調べてみますと、
(これは私にはよくわからない分野ですが)
ユダヤ人迫害の理由は、
昔からユダヤ人はビジネス関係で有能で
そのことが原因で嫌われ妬まれていて
人心掌握するうえで
都合のよい標的だった、
という意見が多くみられます。


ユダヤ人の歴史をざっくりと
眺めてみますと
結局、ユダヤ人を
強くしたたかにしてしまったのは
ヨーロッパであって、
攻撃や迫害の対象から
生き延びるための知恵を発展させたのでしょうか。


ユダヤ人は人間の心理というものに
早い段階から向き合ってきたのでしょうか。
経済というのも
結局は人間心理の集まりですから。



話しは戻しますが、
仲間への演説は
少年たちにとって
自己を癒す手段で
この手段を大人になっても
手放せなかった、と書かれています。


ドイツの熱狂は
ひとりのアダルト・チャイルドの
自己流グループ療法から
始まったことを指摘して
この部分を閉じています。


グループ療法とは
同じ境遇の人々を集めて
体験を話したり、
つらいことを乗り越えた知恵を話したり、
共有したりすることで
自分がどのような状態なのかを知り
他人を通して自分を理解し、
先に進むためのもののようです。


環境によって
自己を形成成長できなかった。
劣等感からの反発共感が
原動力となり、
憎悪というダークエネルギーを使って
攻撃し、相手の上に立つことで
承認して満たし癒したことになります。


この劣等感という存在は
争いへとつながる理由の一つのようです。



大きな流れで見てみますと、
憎悪、恨み、攻撃、虐待などといった連鎖が
ヨーロッパを中心にグルグルと
巡り巡って回っている、
ということです。


それによって
ユダヤ人の特異な部分を成長させたり、
ヒットラーという人間が出てきたり。


そこに利益を上げる人々も加わって
混沌した世界になっている、
ということのようです。



攻撃的なアダルト・チルドレンの誕生



ここではトラウマのおさらいです。


人が成長するためには
安全な場所が必要で
その間に自己を形成していきます。


その安全な場所が無くなり
不安や絶望に襲われ
それから無意識に守ろうとします。


その結果、
嗜癖や精神障害になります。


暴力で育った子どもは
周囲を暴力で支配しようとします。
これは過去の自分を
他者に見出し、
圧殺することで
弱い自己を排除しようとする
動きだそうです。


『とくに男児の場合、
被虐待児は加害者に
同一化することによって、
恐怖と絶望を防御する傾向があり、
これが彼らを
「危険で暴力的なアダルト・チルドレン」
へと導きます。』


『子ども自身が
暴力の犠牲者にならない場合でも、
彼らは暴力の目撃者の役割をとらされ、
それがトラウマになる~

~こうした幼い目撃者たちが育って
大人になってからつくる
不安定な家族のなかでも、
幼い者たちは
再び親たちの加虐・被虐関係の
目撃者になるのです。』
(アダルト・チルドレンと家族 P137)


虐待は連鎖していくのです。


つづく。



【出典・参考】
アダルト・チルドレンと家族
斎藤学(さとる)
学陽書房



【購入先】
ネットオフ



愛や虐待も受け継がれる 第33回

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岩手県盛岡市在住。もりおかの中から感じたことを書いております。個人的なブログです。【このブログについて】

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