スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

愛や虐待も受け継がれる 第31回、購入:ネットオフ、斎藤学(さとる):アダルト・チルドレンと家族。

アダルト・チルドレンと家族
愛や虐待も受け継がれる 第0回
【第1回】【第2回】【第3回】【第4回】
【第5回】【第6回】【第7回】【第8回】
【第9回】【第10回】【第11回】
【第12回】【第13回】【第14回】
【第15回】【第16回】【第17回】
【第18回】【第19回】【第20回】
【第21回】【第22回】【第23回】
【第24回】【第25回】【第26回】
【第27回】【第28回】【第29回】
【第30回】


第31回


失われた記憶―慢性ショック


『子どもにとって、
なんらかのトラウマとの出会いは
避けられません。
そしてトラウマは子どもにショック反応
(呼吸数を抑制したり、
心臓がドキドキしたりする
生理学的反応と、
感情鈍麻のような情緒的反応)
をもたらします。』
(アダルト・チルドレンと家族 P106)


生理学的反応、
身体は敏感に反応するけれど
情緒的反応、
心はあまり反応しない、
ということでしょうか。


ここでは
夫婦喧嘩を例に挙げています。


夫婦喧嘩の理由を知らない子どもは
不安になります。
親たちが何か大きな声で言い争ったり、
物が割れる音、
床や壁、扉の大きな音。


家族機能が健全であれば、
夫婦喧嘩を説明し、
不安を解消しようとします。


けれど、機能不全であれば、
説明しません。
中には隠そうとし
何事もなかったような
ふるまいをするかもしれません。


子どもは不安を抱えたまま、
その理由も知らされないままです。
子どもは不安や疑問を
自らの力で解消することはできません。


こういった場合、本書では
感情鈍麻の中に閉じ込められ、
不快な記憶は回想不能になると
書かれています。
つまり、その記憶を閉じ込めて
思い出させなくしているわけです。


けれど、その記憶が無くなることは
ありません。


年を重ね大人になっても
それは残り続けます。
大きな音や皿が割れる音が
きっかけとなって
頭が真っ白になったりするそうで、
これを慢性ショックと呼ぶそうです。


回想不能と書かれているように
思い出すことはできないけれど、
無意識に反応してしまう。


子どものころ、
性的虐待を受けた女性の例をあげれば、
子どもの時の虐待の記憶が
すっかりと抜け落ちたように
思い出せないけれど、
ある行為に対しては
拒否反応を示したり、
吐き気や動悸がしたりする
というのがあるようです。
(これは以前ネットで知った体験談から)


『慢性ショックは癒されなければなりません。
それには各自の子ども時代の
トラウマとショックに立ち戻って、
当時の事実とそれにともなう情緒を
回想するという作業が必要となりますが、
それにはそうした苦しい作業が可能であるような
「安全な場所」、「安全な人間関係」を
確保することが必要です。』
(アダルト・チルドレンと家族 P109)



「生き残り」の意味



ここではアル中を例に書かれています。


アルコール依存症の親に見て
そうなるまいと生きてきた子どもが
アルコール依存症にならなかったからといって
それが「生き残れた」ということではない、
と書かれています。
親からの連鎖を断ち切れたわけではない
というわけです。


『要するに、ここでいう「生き残り」には、
酒や夫のために生きないで
「自分のために生きる」という意味が
ふくまれているのです。
アル中にもならず、
その配偶者にもならなかったとしても、
人のためにだけ生きて
自分の生に喜びを見いだせなければ
「生き残れている」とはいえません。』
(アダルト・チルドレンと家族 P114-115)


何かに尽くして生きて
その行為で表面的に充実したように感じても
自分自身の生きることに対して
幸せを感じなければ
親からの連鎖、影響は続いている、
ということのようです。


仕事を取ったら
何も残らない、何をしていいかわからない、
というのは、定年退職した先輩方や
今の人たちにも共通するところでは
ないでしょうか。
ネットを見ても
趣味がない、という人はいるようです。
ただ、人によって趣味の定義は
バラバラのようではあります。
(別に趣味を持たなくても
充実していれば問題はないですが、
今の時代、
趣味を持てる余裕があるかどうか、
という社会的・経済的問題、精神的問題が
出てきそうです。)



個人の自由や幸せが最初で
その先に自分以外の自由や幸せがある、
という考え方です。
価値観や思想、考え方の出発点は
日本とアメリカでは違いますけれど、
私の考えとしては
小さいことができない人に
大きなことはできない。
つまり、自分の自由や幸せがわからないのに
他人や集団の自由や幸せに寄与できるのか、
ということです。


本書では、
他人の役にたっていないと
生きていてはいけないような気がする人が
人の世話を一生の仕事として
選ぶ場合が多いと書かれています。
看護師、ケースワーカー、医者といった職業に
アダルト・チルドレンが多いそうです。
それがいけないわけではないけれど、
自分の喜びを知らずに
本当の意味で人を癒すことができるのか、
と言っています。


最低限の仕事としてはできるけれど、
その先に進むのは難しいかもしれません。


この他人の役にたっていないと、
存在感が無いような感覚になるのは
私もわかります。
自分が無いわけで
他に貢献することで
自分の存在や価値を確認するわけです。
そこでどんな形であれ、
自分のやった行為に対して
リターンがあって、
初めて実感するわけです。
それはお金や評価だけでなく、
目に見える成果でもよいです。


でもこれは
個人やその家族の問題だけでなく、
昔からの価値観の影響もあるかもしれません。



以前の感想で書いた
フランクルの考え方だと
自分の外にある使命に意味を見出し、
そのために行動することで
生きる価値を見出していました。
絶望というべき環境下では
自分の内側よりも外側の
しかも離れたところに視点を向けたほうが
生きやすく、心を保つことができた。
内側の闇に引きずり込まれるのを防ぐために
客観的な視点を持つ必要があった、
と今思えば、こういう解釈ができます。
外側から自分を引っ張り上げるイメージです。


個人の自由を求めるのは
どちらも同じですが、
アダルト・チルドレンの方法は、
安全な場所が確保されていることが前提で、
そこから、過去と向き合い、
消化し、回復への道を歩むのです。
最初は内側へと向かい、
そこから外側へと向かいます。


フランクルの方法は、
安全な場所すら確保できていない状況下でも
使える方法ですが、
たぶん、これは子どもよりも大人に
効果がある方法です。
(東日本大震災のときに
フランクル「夜と霧」が売れたのも
こういう理由からでしょうか。)


アダルト・チルドレンの方法は
安全な場所が確保する必要がありますが、
安全な場所が確保できるような
社会的環境が必要で、
ある程度、成熟した環境でないと
うまくいかないかもしれません。



最初の段階では
フランクルの方法でなんとか維持をして
働きながら安全な場所を確保し、
その後にアダルト・チルドレンの方法で
向き合い、回復を図る。
というやり方もあるでしょう。


といっても、最初は
自分がどういう状態なのか
わかりません。
自分と向き合う機会はなく、
無意識にいろいろ抱えながら
その理由も知らずに生きています。
生きにくいのは自分のせいだと
思いながら。


最近のネットを見ていると
どうしたら生きやすいか、
という情報があふれていますが、
どれが正しくて間違い、
というわけではなく、
自分にあったものを選べばよいでしょう。


けれど、その自分にあったものが何なのか、
よくわからない。


それは自分がわからないからで、
結局、自分と向き合わなければならない、
ということになります。
それをしないと、
自分が何を求めているか、
わからないからです。


そこで自分と向き合おうとすると
ネガティブの渦にのみ込まれる、
という可能性があって、
なんともやっかいです。


私の場合は、
自分に問い続けました。
問い続けながら、
いろいろな本や情報を
見ていきました。


仕組みがわかると、
客観的になれますから
一息つけます。
次第に自分を知り、
認められるようになります。


人によって様々だと思いますので
これは一例ですが、
なぜ、という問いは
客観的になれる手段のひとつです。


自分のネガティブな
思考や感情の渦から抜け出す
手段のひとつです。


問い続けることは
様々なことに応用が利く力です。
このブログも
そのひとつの形ではないでしょうか。


つづく。



【出典・参考】
アダルト・チルドレンと家族
斎藤学(さとる)
学陽書房



【購入先】
ネットオフ



愛や虐待も受け継がれる 第32回

検索フォーム
カテゴリリスト

各アイコンの説明。

カテゴリオープン
カテゴリクローズ
個別カテゴリ
全カテゴリオープン
全カテゴリクローズ

  • plus
  • minus
プロフィール

ウシポニ

Author:ウシポニ

岩手県盛岡市在住。もりおかの中から感じたことを書いております。個人的なブログです。【このブログについて】

お知らせ、メモなど
  • 感想文の更新は終了いたしました。ブログの更新も2016年6月をもって終了いたしました。今後の更新はございません。今までありがとうございました。
最新記事
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。