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愛や虐待も受け継がれる 第21回、購入:ネットオフ、斎藤学(さとる):アダルト・チルドレンと家族。

アダルト・チルドレンと家族
愛や虐待も受け継がれる 第0回
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21回

第1章
家族に心を傷つけられた子どもたち

●「安全な場所」を欠いた子ども

『三〇歳になる
ある青年が私を訪ねてきました。
彼は「おなかのなかに
虫が住んでいる。
その虫がいろいろな匂いを発して、
人を不快にするので、
みんな自分から遠ざかっていく」
と言います。』
(アダルト・チルドレンと家族 P16)

第1章はこのような出だしで
始まります。

彼は普段、家に閉じこもっています。

なぜ、このようなことに
なってしまったのか。
子ども時代を振り返ります。

子ども時代は以下の通り。
(以下、要約です。)

祖父はビジネスマンとして成功し、
その長女が彼の母親です。
夫は婿として入ります。

夫は肩身がせまかったようです。
ネガティブな性格のようで
深酒をするようになり、
妻に乱暴するようになります。

妻はこのことを誰にもいいません。

夫の酒乱はひどくなり、
仕事にも影響。
さらに追いつめます。

そんな関係のなか、
男の子ができます。
4歳違いの兄弟です。
一番最初に出てきた青年は弟のほうです。

弟は東京から関西に引っ越します。
父の転勤のためです。
兄は母の実家の東京に預けられます。
有名中学に進学していたからです。

父母弟で関西に引っ越すのですが、
実家が遠くなったことで
母に対する暴力はひどくなります。

母も暴力的になっていき
弟を叩きます。
弟は誰からも守られることは
なくなります。

弟はこの混乱した家庭を
外にさとられないように
気を使います。

学校では友達はできず、
いじめの対象となります。
不登校になります。

弟は追いつめられ、
暴力を誘発するかたちになり
さらに混乱していきます。
母に対する暴力に
対抗するために
暴力を使いました。

母に暴力をふるい、
父を骨折させ、
家に放火します。

このことで
父は弟をさけるようになります。

父は酒乱がなくなります。

弟は暴力をしなくなり、
閉じこもるようになります。
「おなかの虫」の妄想が
出てくるようになります。

弟18歳のときに
父は酔ったうえで事故死。
母と弟は東京へ戻ります。

弟は閉じこもったままですので、
兄が何とかしようとしますが、
あるとき、弟は兄に
「近寄るな」と叫び、
ナイフで首をかき切るという
自殺未遂をします。

兄は家を離れます。

兄もまた家庭を影響を受け、
結婚生活を恐れます。
(アダルト・チルドレンと家族 P16-20要約)

こういった話は
ドラマや本の形をとらない限り
外には出ません。
ネットが出てからは
ネットでもこういった
自己体験を書かれているかたも
いらっしゃいますが、
普段、知ることはないでしょう。

私がこういった世界を
知ったのは15年くらい前で、
ネットからです。

ある姉妹が父親から性的虐待を
受けていた話を
ネットで書かれているのを見て、
はじめて虐待の世界を知りました。

今ではよく覚えていないのですが、
どちらかが自殺してしまって
なんとか生きてこられた方が
トラウマと向き合いながら
なんとか生きている姿を
赤裸々とネットに書かれていていました。

ネットで書くことで
文章で書くことで、
向き合い、客観的に捉えようと
していたのかもしれません。
あるいは、こういった世界があることを
知らせていたのかもしれません。

助けも呼べず、
自分だけかもしれない、
と思っていた人たちにとっては
心の拠り所となったことでしょう。

私が虐待を知った時代は
世間ではまだまだ認識は
弱かったと思います。

児童相談所は権限が弱く、
何のために存在しているかも
わからないくらいで、
ネットでは非難の的でした。
(現在では権限が強くなったゆえの
問題がいろいろとあるようです。)

こういった話は
虐待とはあまり関わりのない
人から見れば、
別世界のように見え、
自分とは関係ない、と
他人事のように感じてしまうかも
しれません。

こういった世界が
どこかの閉じられた世界で
行われているのです。


●トラウマとは何か


この部分では
トラウマの説明がされています。

虐待よりも
トラウマという言葉のほうが
認識されているかもしれません。
それは、
小説や映画、ドラマ、
漫画やアニメなどで
使われていた言葉だからでしょう。
私も虐待の世界を知らなくても
トラウマという言葉は
知っていました。
けれど、それが深刻なこととは
受け止めてはいませんでした。

とくに漫画、アニメですと
ある心情を表すときの
記号のような意味合いで使われます。
「過去の嫌な体験が
恐怖心を生む」
ということを表現する記号として
トラウマという言葉が出てきます。

これはシリアスな心理を
描く場合だけでなく、
コメディやギャグの場面でも
使われます。

精神科医である著者は
どのように説明しているでしょうか。

『私たちはこの世の中に
一定の秩序と連続性を
見出そうとしています。
こうしたものがないと、
とても安心しては暮らせない。

~自然災害や事故は
こうした日常の連続性を遮断し、
人が生きるための
大切な基盤である安全感に
ヒビを入れます。
災害や事故を体験した後では、
人はそれ以前のような信頼を
周囲に対して
抱けなくなるのです。
こうした体験を
トラウマといいます。』
(アダルト・チルドレンと家族 P21)

本書では
他人からの攻撃や暴力の方が
破壊的に働く、と
書かれています。

『強盗や強姦の被害にあって
自分が獲物のように扱われたとき、
~自分というものへの
自信と肯定感を失うのです』
(アダルト・チルドレンと家族 P22-23)

信頼できなくなり、
自信や肯定感を失う。

自分やまわりに対して
信じることができなくなる、
ということです。

自分を物のように扱われる。
これは直接的な行為以外でも
あるでしょう。

私自身の例をあげれば
親からコントロールしようと
されれば、
これは自分は自分のものではなく、
親の所有物となりますから、
こういった視点からも
自信や肯定感が失われていた
子とも時代の理由の
説明がつきます。

『一つのトラウマが、
ひとりの人の人生を
支配し続けることも
まれではないのです。』
(アダルト・チルドレンと家族 P23)

攻撃、暴力といったものは
否定行為とも言えます。
肯定とは反対の行為です。

人格を
その自身を
否定されつづければ
自分をしっかりと確立できていない
心の弱いときに
壊れてしまうでしょう。

子ども時代となれば
当然ながら
精神は未発達です。
影響を受けやすいです。

脳が発達の時に
虐待を受けると
脳の仕組みや構成に
影響を与えることは
様々な研究によって
言われています。


恐怖というものは
その対象を信じることが
できない、
とも言えそうです。


生物という
原点に帰って考えてみれば
恐怖というのは
生命の危機、
生存を脅かすものを
回避するために
あると言えます。

その恐怖が強ければ
強いほど
心に型を押したように
しっかりと
残り続けるでしょう。
そうすることで
長期の記憶に定着させ、
恐怖の対象を
避け続け、
ときには仲間に知らせ
人間の種を
存続させることでしょう。


前回の本で
英語で励ますという
元々の意味が「心を与える」
ということでしたが、
虐待は心を破壊し、
コントロールは心を搾取する、
というところでしょうか。

信じることを
できなくしてしまっている、
と言えそうです。

つづく。



【出典・参考】
アダルト・チルドレンと家族
斎藤学(さとる)
学陽書房



【購入先】
ネットオフ



愛や虐待も受け継がれる 第22回


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