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経済は共感でできている、Eテレ:100分de名著、~お正月スペシャル~100分de幸福論 第二章経済学。

お正月、NHK教育(Eテレ)では


100分de名著 幸福論


というものが
お正月スペシャルとして
放送されておりました。
幸せって何だっけ
ということを各分野から
名著を持ちよって
探っていく番組です。


第一章 文学
島田雅彦(作家)


第二章 経済学
浜矩子(同志社大学大学院教授)


第三章 哲学
西研(東京医科大学教授)


第四章 心理学
鈴木晶(法政大学教授)


番組の感想と内容の復習をかねて
書いています。


第1章 文学 はこちら。


第2章 経済学


浜さんが取りあげる本は


国富論 アダム・スミス


名前だけは存じておりますが
難しそうです。
経済学の歴史を紐解けば
まず出てくるのが国富論です。
近代経済学の父。


今回はしあわせについてですので
経済の仕組みについては
深くまでいかないのですが
それでもおおまかには
理解しておく必要がありそうです。


アダム・スミス(1723-1790)は
スコットランド生まれのイギリスの人です。
産業革命(1760年代から1830年代)がイギリスでおこり
その産業革命のさなか
書かれたものが国富論です。


国富論という言葉だけ見ると
国を豊かにするものと見えますけれど、
原書の題名を直訳しますと


「諸国民の富の性質と原因の研究」


となります。
国を豊かにするためのものというよりも、
民が豊かになるためには?というものらしいのです。


これだけでも
ほんの少しだけ距離が縮まったような気になります。


当時のイギリスは


「重商主義」


という経済の考え方だったようです。


重商主義というのは
輸出によって金・銀を得て
国が貯め込んでおけば良い
という考え方です。
そうすれば、
国は豊かになる、強くなると。


けれど、アダム・スミスは
その考え方を批判します。


労働に価値がある。
そこで生み出すものに価値がある、という
労働価値説を唱えます。
その具体的方法も考えていました。


生産性を高める


「分業」


です。


分業することで
効率的になり
生産が増え、
収益が増え、
その収益をみんなで分配する。


ここで言う分業は
経済的分業というもので
今の工場を思い浮かべると
わかりやすいです。
それぞれが担当を分担し、
役割を決めてスケジュールに基づいて
作業をする。


分業のシステムを指摘し、
理論的にしたのがアダム・スミスのようです。


話しはそれますが、
社会的分業というのもあります。


パンで言いますと
小麦を作る農家、
その小麦を粉にする製粉業者、
それを買うパン屋さんがいて、
パン屋さんが作ったパンを
消費者が買います。
その間には物を運ぶ
流通業もあるかもしれません。


この社会的分業は、エミール・デュルケーム
という人が理論的にしたようです。


アダム・スミスの国富論で
代表的なものがもうひとつあります。


「みえざる手」


みえざる手によっては
経済は拡大する、というのです。


みえる手
つまりは国家が介入・規制をするのではなく、
自由に商売をする。
各個人が利益を追求することによって
需要と供給が自然と成り立つ、という
自由経済論を考えていたようです。


今までは
国家が介入していたのでしょう。
浜さんは言います。
国家がしゃしゃり出ると
人間は不幸になる、と。


労働が生み出す価値。
その価値が評価されることで
人々は充実感を持ちます。
自由な経済活動をすれば
しあわせはもたらされる、といいます。


けれど、
現在の経済は
ブラック企業、ワーキングプア、非正規雇用
という問題が見られます。


原因のひとつに浜さんは
グローバル経済をあげています。


どうやら国富論というのは、
一国の経済の仕組みを書いたもので
グローバル経済には対応していないようなのです。
なんてことだ。


我が国の企業が栄えることが
我が国が栄える


ということだったのですが、
ヒトモノカネが国境を超える今は
必ずしもそうではないようです。


一国の危機が国境を越えて
世界に波及します。
リーマンショックやギリシャ危機が
ありました。


安い労働力を求め
海外に工場を造り、
海外で生産をすることによって
その国で雇用が生まれ
その国が栄えます。
そこで作られた安い製品が
輸入されます。
安価競争に巻き込まれれば
人件費を抑えなければなりません。


アダム・スミスが言っていたような
時代ではないようです。


評価の仕方も問題がありそうです。


労働が生み出す価値。
その価値が評価されることで
人々は充実感を持つ、ということですが、
文学の島田さんは
労働価値を評価するのは誰なのか、
というところを指摘します。
経営側しだいということになります。
きちんと評価されているのか、と。


結局のところ
会社経営の状態を見て
賃金は決められているところがあり、
労働に対する評価として
賃金が決められているわけでは
ないのが中小零細企業の現状です。


評価されることによって
責任のあるポジションにつき、
賃金が変わります。
労働価値の評価というより
責任価値の評価のような気がします。


そもそも、
評価というのも難しいものです。
貢献度を
見えるところはもちろん、
見えないところをどのようにして
評価するのか。
間接的なところ、未来につながるところ
いろいろとあって、
数字だけで判断できないところが
たくさんあります。
明確に評価しようとすればするほど
大変になりそうです。


労働価値が評価されないことについて
「経済が前面に出ると
人間は引っ込まされる」
と言います。


経済を重視する。
これは数字を重視する、
ということでしょうか。
利益や売上などはっきりとした
形で出てくるものは
見た目、わかりやすいですので
やはり、そちらを重視すると
人間はその影に隠れてしまう
ということでしょうか。



浜さんは
もう一冊の本を紹介します。


アダム・スミスが国富論の前に出した


「道徳感情論」


です。


こちらでは


「共感」


をあげております。


共感することによって
人の行動は決まると言います。


道徳感情論に書かれている一節です。


「人間がどんなに利己的なもので
あったとしても
われわれが他の人の悲しみを
想像することによって
自分も悲しくなることがあるのは
明らかである。」


怪我した人が目の前にいて
その痛みやつらさを想像し
手を差し伸べる。
共感することによって
行動する。
共感が行動につながる例として
あげていました。
そうすることで心の平静を得られる、と。


心の平静の条件は
1、健康なこと
2、負債がないこと
3、良心にやましい所のないこと


確かにこの条件を満たした
心の世界は居心地がよさそうです。


道徳感情論に書かれている一節です。


「幸福とは心の平静と楽しみである。
もし社会の経済発展の成果が
大衆の手に正しく分け与えられないならば
道義上人心を得られず
それは社会の安定に脅威をもたらすのである。」


格差社会と言われる現代。
富は一部の富裕層に集中します。
資本主義、自由経済ですと
お金は集まりやすいところに
自然と集まってきます。
昔は、そういった一点のところに
集まったお金が
自然と下に降りてきて
富裕層から中流、下流へと流れて行き
時間の差がありますけれど、
潤っていく、という考えがあったようですが、
実際にはそうではないようです。


富裕層に集まったお金は
なかなか外に出て行きません。
収入>支出
です。
収入に見合った支出をしていないのですから
そこでお金の流れは少なくなっています。
ダムで水をせき止めているのに似ています。
たぶん、こんなことをしていると
下流は干上がってしまうのではないでしょうか。


第一章の文学で
世之助が親から譲り受けた25,000両を
全て使おうとしていますけれど、
これはお金の流れを良くしていますので
経済からみたら、良いことなのです。
貯め込んで流れを悪くする方が
経済的には良くないのです。


実は
収入<支出
をする階級があります。
中流階級です。
この階級は大きな買い物をする場合、
安定した未来を担保に
借金、ローンを組みます。
そこで支出が大きくなり、
お金の流れも収入よりも大きくなるわけです。
日本は高度成長期、
一億総中流といって
みんなが中流階級を目指しておりました。
家を持つことが目標でもありました。
バブル前の考え方って
借金して当たり前、みたいなところが
あったように思います。


番組の中では
そういった富裕層が
貯めた富を解放することはないだろう、
という考えでした。
下から変化をもたらさないと
市民革命のようなものでないと
変化しないだろう、と。


労力を費やして一度手にした物を
手放すなんてことは
なかなかできることではありません。


浜さんは言います。


「経済活動は
数字が作るものではなく
人間による最も人間的な活動」


「共感なき者は
我が身の破滅を呼び込む」


経済というのは
共感のよって成り立っているようで
人として
真っ当で人の痛みもわかる
不文律がわかる。
そういったことを前程でないと
経済の正当性は持たない、と。
(不文律:明文化されていない法。
互いに心の中で了解し合っているきまり。)


単身で生きていける時代
共感を持ちにくくなっていますが
共感は経済の基本のひとつであり、
人間がこれから生きていくうえでも
必須のもののようです。


浜さんは最後にフリップに


幸せとは


「ひとの痛みをわかること」


である。


と書きました。
経済学から
こういった言葉が出てくるとは
思ってもみなかったです。


数字だけにとらわれて
共感を失う
つまりは人の心を失えば
人も経済も衰退していってしまうのでしょう。


最後に名言集がありましたので
書いておきます。


富は海水のようなもの。
飲めば飲むほど、のどが渇く。
(ショーペン・バウアー「幸福について」より)


もっとも平安な
そして純粋な喜びのひとつは、
労働をした後の休息である。
(カント「断片」より)


あったかいふとんで、ぐっすりねる!
こんな楽しいことがあるか。 のび太
(藤子・F・不二雄「ドラえもん」より)


なまけ者になりなさい。
(水木しげる より)


つづく。



100分de名著
Eテレ(NHK教育)
水23:00-23:25 (再)翌水5:30-5:55,12:25-12:50
http://www.nhk.or.jp/meicho/
~お正月スペシャル~100分de名著 幸福論
http://www.nhk.or.jp/meicho/famousbook/2014special/



第三章 哲学 はこちら。

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